「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」 感想

post on 2018/07/15

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AI書籍紹介

AI VS. 教科書が読めない子どもたち

AIに興味がなくても大丈夫

この本ではAI(真の意味ではAIではない)にできることとできないことを説明した上で、現在は大半の子どもたちが「限定的な仕事しかできないはずのAI」と同等かそれ以下の能力しか身につけられていない現状に警鐘をならしています。

AIに興味がなかったら読む必要はなさそうですが、ぜひ難解なことを簡潔に説明しているさまを読んで体感していただきたい。
メッセージの伝え方が整理されており、文章・図・例が適切でその情報伝達の手法はとても参考になります。

なぜ学力に差が出るのか?

後半では読解力に注目して、AIが苦手な分野を担うべき人材の育成について提案しています。
テストの点が取れない子はそもそも問題文(や教科書)を理解していないという指摘は正鵠を射た意見だと思います。
現在の教育体制がこれからの社会が必要とする人材を育成できない理由を説明し、読解力のチェックと向上を提案して本著は終わります。

これからの人材に必要な資質とは?

第4章では教育体制が今のホワイトカラーを担う人材のスクリーミングを意図して構築された仮定しているのですが、このスクリーミングが今後機能しなくなると論じています。(今の時点で機能していない、の方が正しいでしょうか。)
機能しなくなる理由としてこれまでの教育体制で身に着くスキルはAIが得意なスキルと被っており、その分野に限定すればすでに大半の人材はAI以下の能力しか身に着かないためだと問題提起しているわけですが、ぐうのねも出ない正論でしょう。
仮に人間とAIが同等の能力を持っていたとしたら、コスト面でAIに太刀打ちできないため、結局人材は活用されないでしょうから教育体制の抜本的な改革が教務であることがわかります。

このことから、これからの人材に必要な資質とはAIに理解できない(計算式に置き換える事が出来ない)判断ができる資質ということがわかります。
それもこれも全ては読解力から始まるというわけですね。
ぜひ読んでみてください!

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